2025/10/15

リシン吹き付け外壁は昭和から平成初期にかけて全国的に採用されてきました。細かな砂粒を混ぜた塗料で、スプレーで吹き付けて仕上げます。マットな質感と落ち着いた色合いが魅力の外壁材です。
ただし、令和に入ってからリシン外壁を採用される方は少なくなりました。経年劣化によるクラック(ひび割れ)や汚れが目立ちやすいからです。
そうは言ってもリシン外壁を「古くさい」というだけで切り捨てるのはもったいないでしょう。適切な塗装と補修を行えば、現在でも十分に長持ちする外壁材だからです。
そこで今回のお役立ちコラムでは、リシン外壁の特徴・劣化症状・塗り替え方法・塗料選びのポイントについてくわしくお話しします。
リシン外壁とは?かつて主流だった吹付け仕上げの正体

そもそもリシン外壁とはなにか?リシン外壁について改めて解説します。
●●リシン吹付け仕上げの基本構造
リシン外壁とはモルタルの上に「樹脂+骨材(砂粒)」を混ぜた塗料で、スプレーガンにより吹き付けて仕上げる工法です。表面には細かな凹凸があり、光の反射を抑えた上品な質感があります。昭和の頃に、全国の戸建てで広く採用されました。
コストパフォーマンスの高さや美観を整えやすいことで流行りましたが、塗膜の硬く、経年劣化により細かなクラックが発生しやすいという弱点を持っています。
●●採用が減少している理由
外壁の主流は「弾性塗料」や「サイディングボード」など、柔軟性・防汚性・断熱性を兼ね備えた素材に移行しています。
リシンはこれらの機能面で劣るため、新築ではほとんど採用されなくなりました。また、表面の凹凸に汚れやカビが付着しやすく、清掃・再塗装時の下地処理に手間がかかるのも難点です。
●●リシン外壁の劣化症状と放置リスク
リシン仕上げは防水性能が低いため、劣化が進みやすいのは難点です。とくに以下のような劣化症状が見られたら、塗り替えの時期と考えたほうがいいでしょう。
主な劣化サイン
- 細かなひび割れ(ヘアクラック)
- 白い粉が出るチョーキング現象
- コケ・藻・カビの付着
- 塗膜の剥がれ・膨れ・退色
このような劣化サインは、塗膜の防水性能が低下していることを示しています。リシン外壁はもともと塗膜が薄く、防水性を塗料層に頼る構造のため、劣化が進むと水分を吸いやすくなるのです。
雨水がひび割れから侵入すれば、内部に鉄筋が入っているとサビてしまい膨張を招く恐れがあります。放置すれば表面の剥離や浮きが発生し、外壁の崩落につながりかねません。鉄筋がサビて膨張し、内部から外壁を破壊する現象は爆裂と呼ばれています。高所で発生して落下し、人に当たれば大事故につながり危険です。
参照:国土交通省長期修繕計画標準様式長期修繕計画作成ガイドライン長期修繕計画作成ガイドラインコメント
リシン外壁の塗り替え方法と塗料選び

リシン外壁を長持ちさせるなら、適切な洗浄と塗料選びが重要です。
●●適切な下地処理が長持ちするポイント
リシン外壁は表面の凹凸に汚れやチョーキング粉が残りやすいため、再塗装前に徹底した洗浄が不可欠です。
高圧洗浄で古い塗膜やカビを除去し、ひび割れが発生している部分には弾性パテのような補修材で補修します。また、劣化した外壁は塗料を吸い込むのが厄介です。吸い込み防止のために、下塗り材であるシーラーを塗布し、上塗り塗料を密着させて劣化対策をします。
●●適した塗料の種類
リシン外壁には、弾性や密着性の高い塗料が適しています。以下はリシン外壁で採用される代表的な塗料です。
- 微弾性フィラー+シリコン樹脂塗料:伸縮性に優れ、クラックの再発を防止
- フッ素塗料:高耐候・低汚染で耐用年数15年以上
- ラジカル制御型塗料:紫外線劣化を抑え、メンテナンス周期を延ばす
- 光触媒塗料:雨水で汚れを分解し、セルフクリーニング効果を発揮
ただし、地域の気候条件や外壁の劣化度合いによって最適な塗料は異なります。そのため、北九州エリアなら地元に密着した塗装業者に依頼したほうが安心です。地元密着業者は長期的にそのエリアで施工をしてきた実績があります。
北九州エリアの気象条件に合わせて、適切な塗料の選定ができるのです。
●●現代的な仕上げへの変更も選択肢
リシンの質感を残さず、すっきりとした外観にしたいなら「ジョリパット仕上げ」や「ローラー塗装」も選択肢に入ります。このような特殊な仕上げをすれば汚れが付着しにくくなり、現代的なデザインの住まいでも違和感が生まれにくいのです。
塗り替え時の注意点と業者選びのポイント

リシン外壁を選択する場合は、施主も注意点や業者選びのポイントを理解しておいたほうが失敗を避けられます。
●●外壁診断は必須
リシン仕上げは一見すると劣化がわかりにくいという性質もあります。目視で「問題がない」と判断すると失敗につながりかねません。リシンに限らず塗装工事では、事前の診断が成功の鍵を握ります。そのため、塗装前の外壁診断は必須です。
信頼できる誠実な塗装業者なら、写真付きの「劣化診断書」や「詳細見積書」まで用意して、症状別の工事提案を実施できます。一式見積もりのような内訳がわからない見積もりは出しません。細かく項目にわけて提示して、無駄な費用や過剰工事にならないよう配慮してくれます。
●●定期点検と保証の有無を確認
塗装業者選びでは、施工だけを考えると失敗します。重要なのは施工後で、施工不良が発生する可能性も考えなければなりません。
そのため、塗装業者を選ぶ際には、施工後のフォロー体制を整えているかどうかも選定材料に含んだほうがいいでしょう。塗装保証だけではなく、材料保証や定期点検まで用意しているところなら安心できます。施工後のメンテナンスまで一貫対応できるなら、「塗って終わり」ではなく、長期的に良好な外壁を保持できるのです。
●●劣化が進んでいる場合の選択肢
クラックや剥離が深刻な場合、塗装より外壁カバー工法を検討する方が安全です。金属サイディングを重ねることで、外観の刷新・断熱性・防水性が一度に向上します。費用は上がりますが、将来的な修繕コストを抑える効果が期待できます。
リシン外壁は「守りながら生かす」が現代の正解

リシン外壁を選定するなら定期的なメンテナンスが長持ちさせる重要な鍵を握ります。
●●定期的なメンテナンスが最大の節約
リシン外壁は10〜12年を目安に再塗装すれば耐用年数を大幅に延ばせます。劣化が進んでからではなく、早めのメンテナンスをすれば補修についても小規模で抑えられるのです。結果、施工費用の節約にもつながります。
●●基本的に専門業者への相談が正解
リシン外壁の表面には細かな凹凸があるため、塗装をしても塗膜の密着が不安定になりやすいのは難点です。そのため、下地処理や塗料の選定について慎重な判断が求められます。失敗すると塗膜の剥離やムラが生じやすい外壁なのです。
施工前に劣化の程度や含水率を確認し、クラック補修・高圧洗浄・吸い込み止めといった下地処理を丁寧に行うことが求められます。また、使用する塗料の弾性や粘度がリシンの凹凸に合っているかどうかも考えなければなりません。表面が均一に仕上がらず早期劣化を招くからです。
そのため、リシン施工の実績が豊富な塗装専門業者に相談したほうがいいでしょう。工事後の点検や保証制度まで確認できれば、古い外壁でも安心して再生や良好な状態での維持が期待できます。
FAQ|リシン塗装に関するよくある質問

●●Q1:リシン外壁の塗り替え時期はどのくらい?
通常は10〜12年周期で塗り替えるのがいいでしょう。ただし、湿度や立地環境によって8年ほどで劣化が進むこともあるため、定期点検が必要です。
●●Q2:外壁のひび割れは補修して塗り替えできる?
ヘアクラック(細いひび)は弾性フィラーで補修できます。モルタル層まで達する場合は樹脂注入などの下地補修が必要です。
●●Q3:リシンの上に別の塗料を塗っても大丈夫?
可能ですが、古いリシンの粉化を落とす高圧洗浄とシーラー塗布は必須です。怠れば、塗膜剥離につながります。
リシン外壁の再生・補修は「ベストホーム」へ――適切な診断とお見積りで長寿命化をサポート
リシン外壁は、昭和から平成にかけて多くの住宅で採用された歴史ある外壁仕上げです。現在では新築での採用が減少していますが、適切な塗り替えと補修を行えば、なお十分に長持ちする優れた外壁材です。
劣化の進行を放置すれば、ひび割れやチョーキング現象から雨水が浸入し、モルタル内部の鉄筋腐食や爆裂を引き起こす危険もあります。これを防ぐには、外壁診断・下地処理・塗料選定の3点をしっかりと押さえることが重要です。
ベストホームでは、現地調査による外壁劣化診断や、補助金申請に必要なお見積書の作成を承っております。リシン外壁の状態を的確に見極め、必要に応じて塗装・補修・カバー工法など最適な方法をご提案します。なお、補助金の制度内容や申請条件については、事前に各自治体や関係機関へご相談ください。
古い外壁を「取り替える」だけでなく、「守りながら生かす」選択をすることで、建物の価値と美観を長期的に維持できます。
リシン外壁の再生や塗り替えをご検討中の方は、ぜひベストホームまで。
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この記事を書いた人
代表取締役 戸髙 勇樹
保有資格:外装劣化診断士、一般建築物石綿含有建材調査者、石綿作業主任者、アステックペイント技術認定者
業界歴・経歴:約17年以上。大手リフォーム会社に就職後、一度は塗装業界を離れるも、「人に感謝される仕事がしたい」と、ベストホームに入社。1500棟以上の塗装工事を実施。
出身地:北九州市小倉北区
コメント:創業以来24年、福岡県北九州市を中心に外壁塗装・屋根塗装・防水工事・リフォーム工事を行っております。
塗装工事はどの業者に頼まれても塗ったばかりはキレイだと思います。塗装工事で差が出るのは〈数年後〉です。塗装工事を行い数年経過しないと適正な工事をしたのかがわからない、ここが塗装業者選びの難しいところです。塗装の高品質団体プロタイムズは『社会に貢献できる塗装・社会に誇れる塗装』をご提供させていただきますので、塗装工事でお悩みの際はお気軽にご相談ください。
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