2026/08/25

ルーフィング葺きとは、屋根材の下に防水紙を敷き、屋根内部への雨水の侵入を防ぐ工程です。屋根は表面の屋根材だけで防水しているわけではなく、その下にあるルーフィングと野地板を含めて機能しています。
今回のお役立ちコラムでは「ルーフィングの役割と屋根修理の工法を判断するポイント」について解説します。
ルーフィング葺きは屋根材の下へ防水層をつくる工程

住宅の屋根は、外側から屋根材、ルーフィング、野地板という順に重なっています。屋根材は雨や紫外線を直接受ける仕上げ材ですが、継ぎ目やわずかな隙間から入った雨水を最終的に受け止めるのがルーフィングです。
| 屋根の構成 | 主な役割 |
屋根材 | 雨、紫外線、風などから屋根表面を守る |
ルーフィング | 屋根材の下へ入った雨水を受け、軒先へ流す |
野地板 | 屋根材とルーフィングを支える下地となる |
垂木 | 野地板や屋根全体を支える構造部材 |
ルーフィングや野地板は屋根材に隠れているため、地上からの目視だけでは状態を判断できません。雨漏りの有無や屋根材の劣化状況に応じて、施工履歴、屋根裏、取り合い部なども含めて調査する必要があります。
●●重ね幅・立ち上がり・雨水が集まる部分を確認する
ルーフィングは、軒先側から棟側へ向かって順番に敷いていきます。上側の防水紙を下側へ重ねることで、流れてきた雨水がシートの裏側へ入りにくい構造をつくるためです。
重ね幅が不足していたり、シートにしわや破れが生じていたりすると、継ぎ目から水が回る原因になりかねません。必要な重ね幅は製品や施工仕様によって異なるため、決められた方法を守って施工します。
とくに注意したいのが、谷部、棟、壁との取り合い、下屋根、天窓、換気口、配管などの屋根貫通部です。谷部には複数方向から雨水が集まり、壁際では屋根面を流れた水が滞留しやすくなります。壁との取り合いでは、防水紙を必要な高さまで立ち上げ、板金や外壁との納まりを整えなければなりません。貫通部の周囲も、防水紙の切れ目や固定具の位置を考慮した処理が求められます。
●●屋根塗装ではルーフィングの破れや劣化は直せない
屋根塗装は、主に屋根材表面の塗膜を整え、紫外線や雨による劣化を抑える工事です。色あせや塗膜の摩耗が進んでいても、屋根材と下地が保たれていれば、塗装が選択肢になる場合があります。
しかし、ルーフィングは屋根材の下にあるため、表面へ塗料を重ねても破れや劣化を修復することはできません。
雨漏りが起きている場合も、原因を塗膜の劣化だけに決めつけるのは危険です。屋根材の割れ、棟板金の浮き、釘やビスの緩み、谷板金の劣化、ルーフィングの破損、野地板の腐食など、複数の可能性を調べる必要があります。
室内に現れた雨染みの真上が浸入口とは限らず、屋根内部を伝って離れた場所へ水が落ちるケースもあるためです。ルーフィングの劣化も、雨漏り原因として確認すべき項目の一つです。
屋根材の欠損が多い場合や、防水紙、野地板まで傷んでいる場合には、塗装ではなくカバー工法や葺き替えを検討します。築年数だけで交換時期を断定せず、屋根材の状態、防水層の施工履歴、屋根裏の水染み、下地の強度を調査したうえで判断することが大切です。
表面の見た目と内部の防水性能を分けて確認することで、必要な工事を選びやすくなります。
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工法は下地調査で選ぶ

屋根の不具合や雨漏りが見つかっても、必ず全面的な葺き替えが必要になるわけではありません。傷みが一部に限られていれば部分補修で対応できる場合があり、既存屋根と下地の状態が保たれていればカバー工法を選べることもあります。
一方で、ルーフィングや野地板まで広く劣化している場合は、既存屋根を撤去して下地から整える葺き替えが必要です。工法は費用の安さだけで決めず、屋根材、防水紙、野地板の状態を調べたうえで選びます。
工法 | 主な施工内容 | 判断時に確認する状態 |
部分補修 | 屋根材や板金など傷んだ箇所を限定して直す | 損傷範囲が小さく、周辺下地が保たれている |
カバー工法 | 既存屋根の上へ防水紙と新しい屋根材を施工する | 既存下地が新しい屋根を支えられる |
葺き替え | 既存屋根材と防水紙を撤去して施工し直す | 防水紙や野地板まで広く傷んでいる |
室内に雨染みが出ている場所と、実際に雨水が入っている位置が一致するとは限りません。見えている症状だけを直すのではなく、雨水の入口と屋根内部の経路を確認してから施工範囲を決めることが重要です。
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●●屋根材・防水紙・野地板を調べて修理工法を決める
部分補修は、屋根材の割れや棟板金の浮きなど、傷みの範囲が限定されている場合に検討します。ただし、表面の不具合だけを直せばよいとは限りません。割れた屋根材の周囲にあるルーフィングや野地板まで水が回っていないかを確認し、下地が保たれていることを確かめる必要があります。周囲の防水層が傷んでいれば、部分補修だけでは再び雨漏りする可能性があります。
カバー工法は、既存屋根を撤去せず、その上へ新しいルーフィングと屋根材を重ねる方法です。北九州市小倉南区山手で施工した事例では、既存のコロニアル屋根を残し、ルーフィングを敷いたうえで新しい屋根材を施工しました。廃材を抑えやすい一方、既存の野地板が新しい屋根を支えられる状態でなければ採用できません。屋根形状や既存材料、建物へ加わる重量も確認して判断します。
葺き替えでは、既存屋根材と古いルーフィングを撤去し、野地板の状態を直接確認できます。野地板に腐食や強度低下があれば補修または交換し、新しい防水紙と屋根材を施工します。雨漏りが広範囲に及んでいる場合や、下地の劣化が疑われる場合には、内部まで更新できる葺き替えが適することがあります。
どの工法が適切かは、外観や築年数だけでは決められません。屋根材の割れ、板金の固定状態、ルーフィングの施工履歴、屋根裏の水染み、野地板の強度を確認し、点検写真や調査結果を基に施工範囲を決めます。安い工法を優先するのではなく、雨漏りの再発を防ぐために必要な範囲を説明できるかどうかが重要です。屋根表面だけで判断せず、防水紙と下地まで含めてご相談ください。
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ルーフィングは完成後に見えないから工事中の記録を残す

新しい屋根材を施工するとルーフィングは見えなくなるため、完成後に重ね幅や取り合い部の処理を確認することは困難です。見積もり段階で材料名と施工範囲を確認し、工事中に隠れる箇所を写真で残してもらうことが、将来の点検や雨漏り調査にも役立ちます。
残しておきたい記録 | 写真・書類で確認する内容 |
使用材料 | ルーフィングの商品名、種類、製造元が分かるラベル |
屋根面全体 | 軒先から棟へ施工した状態と、破れや大きなしわの有無 |
谷・壁際・下屋根 | 雨水が集まる箇所の重ね方、立ち上がり、板金施工前の状態 |
野地板 | 腐食や沈みがあった位置、補修・増し張り・交換の範囲 |
屋根材施工後 | 防水紙を傷めにくい固定位置と各部の仕上がり |
見積書に「ルーフィング一式」としか記載されていない場合は、改質アスファルト系などの種類、商品名、施工面積、既存下地の処理を確認しましょう。高価格な製品を選ぶことだけが正解ではなく、新しい屋根材の想定使用期間や屋根勾配、工法に適合することが重要です。カバー工法では既存屋根の上にどのような下地処理をして敷くのか、葺き替えでは野地板の補修費をどの条件で追加するのかも聞いておきます。
野地板は屋根材を撤去して初めて傷みが分かる部分もあります。その場合でも「開けてみないと分からない」で終わらせず、追加工事となる劣化状態、補修方法、単価、施主へ報告するタイミングを契約前に決めておくと、工事中の判断がしやすくなります。
雨漏り修理では、濡れた箇所だけを塞ぐと、屋根内部にある本来の排水経路を妨げる場合があります。谷、壁際、棟、貫通部などの水の流れを確認し、入口、経路、出口を整理してから補修範囲を決めることが大切です。工事写真と調査報告書を保管しておけば、将来別の症状が出た際も、前回どこまで防水層を更新したかを確認できます。
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FAQ|ルーフィング葺きでよくある質問

ここでは、防水紙の点検や工法選びについてよくある疑問へお答えします。屋根表面の見た目だけで判断せず、確認できる範囲と確認できない範囲を分けて考えましょう。
●●Q1.屋根材を剥がさずにルーフィングの状態を確認できますか?
A.屋根裏の水染みや野地板の変色、屋根表面の割れ、過去の施工記録から異常を推測できますが、ルーフィング全体を直接確認することはできません。必要に応じて部分的な確認を行い、その限界も含めて工法を判断します。
●●Q2.ルーフィングだけを部分的に交換できますか?
A.屋根材を外せる範囲や損傷位置によっては可能ですが、周囲の防水紙との重ねを適切に確保できるかが重要です。傷みが広い場合や複数箇所で雨水が回っている場合は、部分補修より広い範囲の更新が必要になることがあります。
●●Q3.雨漏り箇所をコーキングで塞げば直りますか?
A.一時的に水が止まったように見えても、入口が別にあれば再発します。また、塞いだことで屋根材の下へ入った水の出口を失わせる場合もあります。水の侵入経路を調べ、屋根材、板金、防水紙、下地のどこを直すべきか判断してください。
北九州市の屋根修理はベストホームへご相談ください
ベストホーム株式会社では、屋根材の表面だけでなく、雨漏りの状況、ルーフィング、野地板まで視野に入れて修理方法を検討します。「塗装で済むのか」「カバー工法と葺き替えのどちらが必要か分からない」という段階でもご相談いただけます。
・問い合わせフォームや電話で雨漏りの症状を伝える
・現地調査で屋根、屋根裏、取り合い部の状態を確認する
・点検写真と見積書を基に施工範囲と追加条件を整理する
見えない防水層だからこそ、工法の根拠と施工記録を確認し、再発防止につながる修理を選びましょう。
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この記事を書いた人
代表取締役 戸髙 勇樹
保有資格:外装劣化診断士、一般建築物石綿含有建材調査者、石綿作業主任者、アステックペイント技術認定者
業界歴・経歴:約17年以上。大手リフォーム会社に就職後、一度は塗装業界を離れるも、「人に感謝される仕事がしたい」と、ベストホームに入社。1500棟以上の塗装工事を実施。
出身地:北九州市小倉北区
コメント:創業以来24年、福岡県北九州市を中心に外壁塗装・屋根塗装・防水工事・リフォーム工事を行っております。
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