2025/06/15

見た目だけで塗料を選んでいませんか?外壁塗装の成功には、塗料の色や価格だけでなく「外壁材との相性」が極めて重要です。特に北九州のように降雨や湿度の多い地域では、誤った塗料を使うと、せっかく塗り替えた外壁が数年で剥がれてしまうケースも少なくありません。
例えば、モルタルや漆喰、木部といった自然素材系の外壁と、工場で加工されたサイディングやALCなどの外壁材では、求められる塗料の機能や下塗りの種類がまったく異なります。知らずに塗ってしまえば、施工後の早期劣化や、見た目の劣化トラブルに直結してしまうのです。
今回のお役立ちコラムでは「外壁材と塗料の相性」について解説します。
なぜ「外壁材と塗料の相性」が重要なのか

塗装工事は見た目を整えるだけでなく、建物そのものを保護し、資産価値を維持するための重要なメンテナンスです。しかし、外壁材の種類ごとに求められる性能が異なるため、塗料選びを間違えると、本来の役割を果たせなくなります。
●●外壁塗装の耐久性は組み合わせ次第
外壁塗装の寿命は、単に「良い塗料を使えば長持ちする」という単純な話ではありません。むしろ、下地との相性と施工方法が適切かどうかで、その耐用年数は大きく変わります。たとえば、モルタルにはクラック(ひび割れ)が発生しやすく、追従性の高い塗料が必要です。反対にサイディングでは、表面の塗膜がチョーキング(白い粉)を起こすため、耐候性や密着性が重視されます。
塗料と外壁材の特性を無視すれば、たとえ高級塗料を使っても、1〜3年で剥がれや浮きが出ることもあるのです。相性を考慮した「組み合わせこそが命」です。
●●北九州の気候と相性問題
北九州市を含む九州北部は、年間を通じて雨の日が多く、梅雨や台風による湿気・強風の影響も大きい地域です。こうした環境では、通気性や防水性、乾燥速度といった性能が塗料に求められます。特に湿気を内部に閉じ込めてしまう密封型の塗料は不向きで、素材に応じて透湿性を確保することが重要です。
また、潮風や排気ガスの影響を受けやすい沿岸部では、金属系外壁のサビや劣化も起こりやすく、防錆性や耐塩害性を持った塗料が望まれます。
●●誤った塗料選びがもたらすリスク
相性の悪い塗料を使った結果、施工から数年で以下のようなトラブルが発生することがあります。
・塗膜の剥がれや膨れ
・ひび割れの再発
・カビ・苔の繁殖
・外観の変色・白化現象
特に古民家などで多く見られるモルタル・木部・漆喰の外壁はデリケートで、適切な下塗り材や透湿性のある塗料を使わなければ、素材そのものを傷めてしまう恐れもあります。
美観を損なうだけでなく、建物そのものの寿命を縮めることにもつながるため「素材に合った塗料を選ぶ」ことは、家を長持ちさせるための第一歩なのです。
モルタル・漆喰・木部など「古民家系素材」に合う塗料

北九州エリアには、昭和期に建てられた戸建て住宅や、大正・明治の趣を残す古民家も多く残っています。こうした建物に使われている外壁材は、現在主流のサイディングボードとは異なり、左官仕上げのモルタル、自然素材の漆喰、木板張りなど、素材本来の風合いを活かす構造が中心です。
これら古民家系の外壁材は、いずれも「素材が呼吸すること」を前提に設計されています。そのため、密閉性の高い塗料を使うと、内部に湿気がこもって剥離や腐食を招くリスクが高まります。また、ひび割れや中性化といった劣化の進行も早いため、素材に応じた柔軟性・透湿性・密着力のある塗料を選ぶことが肝心です。
それぞれの素材に適した塗料の種類と注意点を詳しく見ていきましょう。
●●モルタル外壁には微弾性+シリコンが鉄板
モルタル外壁は、職人の手仕事による左官仕上げで、美しい表情を持つ外壁材です。しかし、経年劣化によりひび割れ(クラック)が発生しやすく、水分を吸収しやすいという欠点も抱えています。
そこでおすすめなのが「微弾性フィラー+シリコン系塗料」の組み合わせです。
微弾性フィラーは、下地の細かなひびを埋めながら、柔軟に動いて追従する特性があります。この下地処理を施すことで、ひび割れをカバーし、塗膜の膨れや剥がれを防ぐことができます。上塗りには、耐久性とコストのバランスに優れたシリコン塗料を選ぶのが一般的です。
北九州のように雨が多い地域では、撥水性と透湿性のバランスが取れた塗料が理想です。さらに、防藻・防カビ性能が加われば、長期的に美観を維持することができます。塗装前には、下地の中性化(白化)を確認し、必要に応じて高圧洗浄やケレン作業を行うことも重要です。
●●漆喰は透湿性が命。密着対策と下地処理がカギ
漆喰壁は日本の伝統的な建築に多く用いられ、調湿性・防火性・美観の面で非常に優れた素材です。一方で、漆喰はアルカリ性が強く、塗料の密着を阻害するという性質もあります。そのため、通常の水性塗料では密着不良や早期剥離を引き起こすリスクがあるのです。
そこで重要になるのが、アルカリ性に対応した下塗り材と、透湿性の高い塗料の選定です。たとえば、カチオン系シーラーは下地との密着性を高め、アルカリによる劣化を防ぎます。上塗りには、無機塗料やシリコン塗料の中でも、通気性を確保できる水性タイプを選ぶとよいでしょう。
漆喰は湿度調整の機能を持つため、呼吸を妨げるような高密閉性の塗料はNGです。また、経年で粉状に劣化している場合は、事前の補修や洗浄が必要になります。下地のpHチェックや試し塗りなど、慎重な工程管理が求められる素材と言えます。
●●木部外壁は浸透型ステインで呼吸を妨げない
古民家によく見られる板張りの木製外壁は、自然素材ならではの温かみと風合いを持ちますが、紫外線や雨風によって劣化が進行しやすいデリケートな素材でもあります。特に北九州のように湿度の高い地域では、腐朽菌やカビの発生、反りや割れなどが発生しやすくなります。
こうした木部外壁に適しているのが「浸透型ステイン(木材保護塗料)」です。表面に厚い塗膜を形成せず、木の内部に成分が染み込むことで、木材本来の通気性を妨げることなく保護します。加えて、UVカット機能や防虫・防腐成分を含んだ製品を選ぶと、耐候性が高まりメンテナンス周期も延ばせます。
また、表面の風合いを残したい場合は、クリアタイプの保護塗料も選択肢となりますが、紫外線による焼けには注意が必要です。施工に際しては、表面のアク洗いやサンダー掛けなど、下地処理を丁寧に行うことで仕上がりの美しさと耐久性が両立します。
窯業系・金属系サイディングなど「戸建て系素材」に合う塗料

平成以降に建てられた住宅では、外壁材としてサイディングボードが主流となっています。特に多いのが、セメント系材料で構成された「窯業系サイディング」や、軽量かつ断熱性に優れる「金属系サイディング」です。そしてビル建築などでも使われる耐火・耐震性に優れた「ALC(軽量気泡コンクリート)」もあります。
これらの外壁材は、工場で均一に加工されるというメリットがある一方、素材ごとの特性を無視して塗料を選ぶと、思わぬトラブルに発展するケースがあります。特にサイディングは築10年以上で表面の塗膜が劣化しやすく、塗り替え時には下地の状態チェックと、適切な下塗り材の選定が必要不可欠です。
●●窯業系サイディングはクリヤーor高密着塗料で保護
窯業系サイディングは、日本の戸建住宅において最も普及している外壁材です。セメントを主成分とし、工場で模様や塗装が施された状態で出荷されるため、美観と機能性を兼ね備えています。ただし、表面の「意匠層」が劣化すると、元の柄や色味が失われてしまうため、塗り替えには細心の注意が必要です。
もしチョーキング(粉吹き)や劣化が軽度であれば「クリヤー塗料」での塗装が有効です。これにより意匠性を保ったまま、UVカットなどの保護性能をプラスできます。ただし、既に傷みが進行している場合は、通常の着色塗料を使用せざるを得ないため、その際は専用プライマー(下塗り材)での密着強化が欠かせません。
また、コーキングの打ち替えもセットで検討すべきです。窯業系サイディングは目地のシーリングが命綱であり、そこが劣化していると雨漏りリスクが一気に高まります。
●●金属サイディングは防錆+下塗り重視で長寿命に
金属サイディングは、ガルバリウム鋼板などの耐食性金属を芯材とし、軽量でスタイリッシュな外観を実現できる外壁材です。特にモダン住宅や省エネ住宅での採用が増えていますが、金属特有のサビや熱膨張への対処が必要です。
この素材に適した塗料は、防錆機能を備えた下塗り材+耐候性の高い上塗り塗料の組み合わせです。下地の金属と塗膜の密着を確保するためには「エポキシ樹脂系プライマー」などの使用が基本となります。また、塗装前には金属表面の汚れや油分をしっかり除去する脱脂工程が不可欠です。
上塗りには、紫外線や熱に強いシリコン塗料やフッ素塗料を使うことで、塗膜の持ちを飛躍的に延ばすことができます。北九州のような潮風の影響を受けやすい地域では、耐塩害仕様の塗料を選ぶことも有効です。
●●ALC外壁は防水性・下地補修・専用下塗りが重要
ALCパネル(軽量気泡コンクリート)は、軽量で断熱性・耐火性に優れた外壁材として、住宅だけでなく集合住宅や施設建築でも使われます。ただし、吸水性が非常に高く、防水処理が不完全だと内部劣化が急速に進行してしまうのが難点です。
ALCに適した塗料選びのポイントは、防水性・透湿性・密着性の3つを兼ね備えたシステム構成にあります。下塗りには、ALC用に開発された厚膜タイプのシーラーやフィラーを使用し、表面の凹凸やクラックを平滑に整える処理が必要です。
上塗りには、弾性を持つシリコン塗料や無機ハイブリッド塗料が好適です。これにより塗膜のひび割れを抑制しつつ、雨水の侵入をしっかり防ぐことができます。また、ALCは目地シーリングの施工状態も劣化のカギを握るため、打ち替えや増し打ちの同時実施が望まれます。
後悔しない塗料選びは「相性と環境」の理解から

外壁塗装で長持ちする美しい仕上がりを実現するには「どの塗料が高級か」よりも「どの外壁材にどの塗料が適しているか」を見極めることが何より重要です。特に北九州のように湿気や雨が多い地域では、素材の呼吸を妨げない透湿性や、防カビ・防水性能を備えた塗料の選定が、建物の寿命を左右します。
また、モルタルや漆喰、木部といった古民家特有の素材には、柔軟性や密着力を持った専用塗料が必要です。一方で、サイディングやALCのような現代的な外壁材には、防水性や密着性、耐久性を考慮した施工が求められます。
塗料と素材、そして地域環境との「相性」を正しく理解し、それに応じた適切な施工を選ぶことが、後悔しない塗装工事への第一歩です。
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北九州の気候は多雨・高湿度・潮風――だからこそ外壁材と塗料の「相性」を見極めることが、住まいを守り資産価値を維持する最短ルートです。モルタルには微弾性+シリコン、漆喰には耐アルカリ下塗り+透湿塗料、金属サイディングにはエポキシ系錆止め……。こうした専門的な組み合わせは、塗装のプロであるベストホームが現地で外壁材を確かめながら提案することで、はじめて本当の効果を発揮します。
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この記事を書いた人
代表取締役 戸髙 勇樹
保有資格:外装劣化診断士、一般建築物石綿含有建材調査者、石綿作業主任者、アステックペイント技術認定者
業界歴・経歴:約17年以上。大手リフォーム会社に就職後、一度は塗装業界を離れるも、「人に感謝される仕事がしたい」と、ベストホームに入社。1500棟以上の塗装工事を実施。
出身地:北九州市小倉北区
コメント:創業以来24年、福岡県北九州市を中心に外壁塗装・屋根塗装・防水工事・リフォーム工事を行っております。
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