2025/11/24

北九州市では、外壁のコーキング劣化が想像以上に速いペースで進む場合もあります。梅雨から秋雨のほか、台風シーズンにかけての強い雨風がある時期や、年間を通して続く高い湿度が理由としてあげられるのです。

コーキングが劣化し、外壁の隙間から雨水が入り込むと大問題になります。断熱材の湿潤や木材の腐朽、塗膜の剥離や室内への雨漏りといった深刻なトラブルに発展します。ただ、多くの住宅ではコーキングの劣化を「見た目の問題」と誤解しがちです。放置すると大切な住まいを守れません。

そこで今回のお役立ちコラムでは、北九州市の気候を前提に、コーキングの重要なポイントや工程についてくわしくお話しします。

北九州で増える外壁コーキングの劣化｜気候と建物条件から見たリスク背景

北九州市の気象条件と外壁構造を踏まえ、劣化サインとリスクを整理します。

●●劣化サイン一覧（割れ・剥離・破断・肉やせ・隙間）

コーキングの劣化は初期段階では目立ちにくいものの、進行すると外壁内部に大きな影響を与えます。

割れは細かなクラックから始まり、放置すれば中央部分で裂ける「破断」へ進行するのです。また、目地の両端が外壁から浮き上がる「剥離」は雨水が入りやすい状態と言えます。

肉やせが起きている場合、見た目では隙間がなくても内部の厚みが不足しています。そのため外壁の伸縮に追従できない場合も出てくるのです。

さらに、明確な隙間が確認できる場合、すでに外壁内部に水が入っている可能性も高くなります。このような劣化サインを早く見つけることが大切な建物を守る第一歩になるのです。

●●北九州市の気象が劣化を加速させる理由

北九州市は年間を通して降雨量が多い傾向になります。気象庁の統計でも梅雨から秋にかけて断続的な強い雨が観測されているのです。横殴りの雨が外壁の隙間に当たることで、わずかな劣化でも雨水が侵入してもおかしくありません。

また、相対湿度が高い日も続くため、コーキングの硬化不良や劣化速度の加速につながります。さらに台風時には強風による揺れで、外壁が微妙に動くのです。その結果、伸縮を吸収するためのコーキングが早く疲労する傾向もあります。これら複数の要因が重なることで、短いスパンでのメンテナンスが必要です。

●●放置によるダメージ（雨漏り・内部腐朽・断熱材の湿潤）

コーキング劣化を放置すると、外壁内部への雨水侵入が始まり、建物構造に大きなダメージを与えます。まず、断熱材が水分を吸収すると乾きにくく、性能の大きな低下リスクが高まるのです。湿気を含んだ断熱材はカビの温床になり、室内環境にも悪影響を及ぼします。

また、外壁の下地材（合板や柱）が腐朽すると、外壁の浮きや反りの原因となるのです。補修費用が一気に高額化するケースも出てくるのです。

さらに、雨水が室内に達すると、天井シミや壁紙の剥がれなどの二次被害が発生します。こうした損傷は目地の小さな隙間から始まるため、劣化サインを見逃さず早めの対応が必要です。

参照：気象庁（北九州市の降水量・湿度統計）

コーキングの工事の種類と単価｜打ち替えと打ち増しの正しい判断基準

コーキング工事は「打ち替え」と「打ち増し」の選択が最重要です。外壁材や劣化状況によって適用が異なるため、正しい判断基準を押さえておくことが求められます。

●●打ち替えとは（古い材の撤去→新規充填）

打ち替えは既存のコーキングを完全に撤去し、新しいコーキング材を正しい厚みに充填する工法です。外壁目地の動きに追従しやすいため、耐久性が高く、一般的には10〜15年持つとされています。ただし環境で耐用年数は前後するので留意が必要です。撤去作業をしっかり行うことで、密着性が高まり、雨水の侵入リスクも大幅に減少できます。

とくにサイディング外壁では建物の変動が大きいため、打ち替えが基本です。費用はやや高くなりますが、将来的な雨漏りリスクを考えると最も確実な方法となります。

●●打ち増しとは（既存材の上に追加充填する簡易工法）

打ち増しは既存のコーキングを撤去せず、上から新しいコーキング材を重ねる工法です。撤去費用が不要なため、工期が短く費用も抑えられます。ただし耐久性は5〜7年程度で、打ち替えより短命です。

既存コーキングのひび割れが深い場合や、剥離が進んでいる場合は効果が薄く、内部へ水分が残ったまま上から覆ってしまう問題もあります。とくにサイディング目地では厚みが確保できないため、再劣化が早い点に要注意です。

北九州市のコーキング単価相場

コーキングの単価は工法で異なります。北九州市の戸建て住宅では、打ち替えの場合は900〜1,400円/mが一般的です。基本的に、撤去作業の丁寧さや使用する材料によって幅が出ます。

一方、打ち増しは600〜900円/mです。撤去を行わない分だけ割安傾向です。ただし、打ち増しの耐久性は打ち替えよりも低いため、長期的な費用対効果で比較すると打ち替えが優位と言えます。また、使用材料がJIS A 5758に準拠しているか、プライマーが含まれているかで単価は変動するのです。

●●北九州市のコーキング打ち替え費用｜坪・延長・外壁材で変わる実勢価格

コーキング費用は家の大きさよりも「目地の長さ」で決まります。北九州市の一般住宅の実勢価格を、外壁材別に整理します。

●●一般住宅（30～40坪）の費用目安

北九州市の戸建て（30〜40坪）でコーキング打ち替えを行う場合、費用は15〜25万円が一般的です。

ALCが最も目地量が多く、次が窯業系、金属は少ない傾向と言えます。同じ坪数だとしても、目地延長が長い家ほどコーキングの費用が上がります。

また、破風板や窓まわりなど付帯部分のコーキングが多い家では追加費用も考えたほうがいいのです。さらに、外壁塗装と同時に行う場合は足場を共有できるため、総額が大きく減るケースもあります。

参照：JIS A 5758

高耐候コーキングの価格差と寿命

コーキング材には種類があり、耐久性と価格が異なります。変成タイプは耐久性と施工性のバランスが良く、外壁用として最も一般的です。ウレタンは密着性が高いものの紫外線に弱く、外部では寿命が短くなりやすい傾向です。

シリコンは耐候性が高いものの、外壁用塗料が密着しないため外壁に向いていません。高耐候コーキングは単価が上がるものの、長期的にはメンテナンス頻度を減らせるため費用対効果が高い選択肢と言えます。

工期の目安と工程

コーキング工事はシンプルに見えますが、作業工程は多岐にわたります。以下は実際の作業工程です。最初は既存のコーキングを撤去してから、必要に応じてバックアップ材を充填します。以降、下記のような流れで施工します。

●●養生

作業面を汚さないための養生

●●プライマー

接着の要となるプライマーを塗布します。プライマー不足は密着不良を招くため、工程のなかでも最重要ポイントです。

●●充填

続いてコーキング材を隙間なく充填します。

●●仕上げ

最後にヘラで押さえて仕上げます。このヘラ押さえが弱いと、仕上がりの見栄えが悪くなりかねません。内部に空隙もできて、耐久性が落ちるリスクもあります。

●●完成

このように、写真による工程記録がある業者は、これらの工程を丁寧に管理しているのです。

乾燥時間と天候で変わる工期

コーキング工事は、天候に大きく影響されます。標準的な住宅では2〜3日で完了しますが、気温や湿度で硬化時間が変動します。

とくに北九州は湿度の高い傾向です。梅雨時期や秋雨時期は硬化まで時間がかかることもあります。また、気温が5℃以下になると硬化不良が起こり、施工自体が推奨されません。そのため、天候の変動が激しい地域では工期に余裕を持つことが重要です。

施工中に雨が降ると密着不良や白濁の原因となるため、工程を止めて天候回復を待つことが必要です。

●●雨天時の施工中断ライン

施工中はコーキング材が表面硬化するまでの時間が重要です。この間に雨が降ると、すべてやり直しになることさえあります。

表面硬化前に雨が当たると、表面が白く濁りかねません。また、材料内部に水が入り込めば密着不良が起きます。こうした状態は見た目では判断がむずかしいため、適切な天候判断が求められます。

FAQ｜北九州市のコーキング打ち替えの費用と工期についてよくある質問

北九州市は雨・湿度・台風の影響を受けやすく、コーキングの劣化が全国平均より早く進みやすいエリアです。ここでは、コーキング打ち替えの費用と工期に関する代表的な疑問にお答えします。

●●Q.30～40坪くらいの家だと、コーキング打ち替えの費用はいくらぐらいですか？

北九州市の一般的な戸建て（30〜40坪）で外壁目地とサッシまわりを中心に打ち替えを行う場合、15〜25万円前後がひとつの目安です。

ただし、外壁材の種類（ALC・窯業系・金属）や目地の本数、窓まわりや付帯部のコーキング量によって増減します。現地調査で「目地の総延長」をきちんと計測してもらうことが大切です。

●●Q.コーキング工事の工期はどれくらいかかりますか？その間は家で普通に生活できますか？

標準的な戸建てなら、コーキング打ち替え自体は2〜3日程度が目安です。ただし、北九州市は湿度が高く、梅雨や秋雨の時期は硬化に時間がかかるため、余裕を見てスケジュールを組みます。

工事中も室内での生活は基本的に問題ありませんが、窓の開閉制限や足場による視線の気になりやすさなどは出てきますので、事前に工程説明を受けておくと安心です。

ベストホームに相談して北九州市のコーキング打ち替え費用と工期の不安を一緒に解決しましょう

コーキングは「細い目地だから後回しでも大丈夫」と思われがちですが、実際には外壁と構造体のすき間を守る、とても重要な防水パーツです。

ベストホームでは、北九州市の気候特性と建物条件を踏まえて、コーキングの状態をていねいにチェックし、打ち替え・打ち増し・高耐候材の選択肢をわかりやすくご説明しています。目地の長さや外壁材、今後の塗り替え計画までを含めてトータルで考えることで、

「今どこまでやるべきか」
「外壁塗装と同時にした方が良いか」

といった判断も一緒に整理していきます。北九州市でコーキングのひび割れや隙間が気になってきたら、どうぞベストホームへお気軽にご相談ください。

お問い合わせフォームからのご連絡はもちろん、メール・お電話でのご相談やショールームへのご来店も大歓迎です。

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この記事を書いた人

代表取締役　戸髙　勇樹

保有資格：外装劣化診断士、一般建築物石綿含有建材調査者、石綿作業主任者、アステックペイント技術認定者

業界歴・経歴：約17年以上。大手リフォーム会社に就職後、一度は塗装業界を離れるも、「人に感謝される仕事がしたい」と、ベストホームに入社。1500棟以上の塗装工事を実施。

出身地：北九州市小倉北区

コメント：創業以来24年、福岡県北九州市を中心に外壁塗装・屋根塗装・防水工事・リフォーム工事を行っております。
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